新車でもコーティング前に磨く必要はある?専門店が必ず研磨する理由
今回は、当店でも頻繁に質問を受けたりする「新車でもコーティング前に磨く必要はある?」というお話について解説させていただきます。これは長い期間、またはこれからも永遠と議題になってくるテーマ、新車のコーティングについて、昔から意見が分かれるテーマだと思います。
筆者情報
Profile
1993年8月13日生まれ。車がずっと好きで大学を中退し町の整備工事へ入社。
自分の愛車のカムリを東京にある某有名コーティング専門店へ依頼し、その仕上がりに物凄く感動を受け、カーディティリング業界へ参入。約8年間修行を経てカーコーティング専門店ミスターポリッシュを起業。常に「期待以上の仕上がり」を追求し、他では得れない感動をお客様に届けています。
新車はコーティング前に磨くべき?結論は「どちらも間違いではない」

さて、単刀直入に言いますと、「新車なのだから磨く必要はない」という考え方と、「新車でもコーティング前には磨くべき」という考え方です。
MR.POLISHでは新車であっても必ず研磨を行ってからコーティングを施工しています。しかし、だからといって「新車を磨かない施工は間違い」と考えているわけではありません。
メーカーは、それぞれの品質基準をクリアした車両を新車として出荷し、ディーラーはその車をお客様へ納車しています。その状態で十分に綺麗だと感じるのであれば、無理に研磨する必要はないという考え方も成立します
一方で、専門店の照明環境で新車の塗装面を細かく確認すると、微細な線傷やスケール、鉄粉などの付着物が見つかることは珍しくありません。
つまり違いは、「新車として合格した状態をそのまま保護したいのか」、それとも「コーティングを施工する前に、さらに塗装面を整えてから保護したいのか」。最終的にはオーナー様がどこまでの仕上がりを求めるかだと考えています。
新車でも塗装面は完全な無傷ではありません

当店には日常的に新車を入庫していますが、新車だからといって塗装面に何も付着しておらず、傷も一切ないというわけではありません。
実際には、納車前の洗車で付いたと思われる微細な線傷、スケール、鉄粉、ウォータースポットなどが確認されることがあります。また最近では、納車時点ですでに簡易的な撥水剤のようなものが施工され、不自然に水を弾いている車両を見ることもあります。
もちろん、新車は経年車と比べれば圧倒的に綺麗です。しかし「綺麗」と「塗装表面が完全に整っている」は同じ意味ではありません。
納車されたばかりの40系アルファードでも線傷はありました

直近で施工した新車の40系トヨタ アルファードも、ボディ全体としては非常に綺麗な状態でした。特にトヨタの新車は、当店へ入庫する車両を見る限り、比較的しっかり管理されている印象があります。
それでも、傷の目立ちやすいピアノブラックのパーツには細かな線傷が確認できました。窓ガラスにも油膜が付着していたため、油膜除去を行ってから撥水加工を施工しています。
新車だから下地処理を省略するのではなく、実車の状態を確認して必要な処理を行うのがMR.POLISHの基本的な考え方です。
メーカーによって新車の状態に違いはある?

これは統計的な評価ではなく、あくまでMR.POLISHへ入庫してきた車両を施工してきた中での印象ですが、メーカーによって新車時の状態にはかなりの違いを感じます。
国産車ではレクサスの状態が非常に良いことが多く、その次にトヨタもしっかり管理されている印象があります。一方、輸入車は国産車と比べて線傷などが確認されるケースが多いと感じます。
輸入車は製造後、日本へ届くまで長距離の輸送や複数の工程を経ます。そのため単純にメーカーの品質だけで比較できる話ではありません。
重要なのはメーカー名だけで判断するのではなく、施工する一台一台を実際に確認することです。
MR.POLISHが新車でも必ず磨く3つの理由

1.納車前に付いた微細傷や水ジミを整えるため
新車でも微細な線傷やスケール、ウォータースポットなどが存在する場合が殆どです。これらを残したまま上からコーティングを施工しても、傷そのものが消えるわけではありません。
まず塗装面を確認し、必要な範囲を研磨して整えてからコーティングへ進みます。
2.製造から納車までに変化した塗装表層を整えるため
車は塗装された直後にオーナー様へ届くわけではありません。製造から輸送、保管、納車までの間に外気や紫外線などにさらされます。
MR.POLISHでは、こうした塗装表層を軽研磨によって一度整え、コーティング施工前の状態を作ることを重視しています。ここでいう「酸化皮膜の除去」は、当店が実務上、塗装表層を整える目的を説明する際に用いている表現です。
3.塗装面の微細な凹凸を整え、仕上がりを高めるため
研磨の目的は、目立つ傷を消すことだけではありません。塗装表面の微細な凹凸を整えることで、光の反射が均一になり、塗装本来の艶や発色を引き出しやすくなります。
当店の施工経験では、研磨の有無は完成時の艶だけでなく、コーティングの定着やその後の性能にも大きく影響すると感じています。そのため、MR.POLISHでは新車であっても研磨を省略してコーティングを施工することはありません。
「新車を磨いたら塗装が薄くなる」は本当です

ここは誤魔化さずにお伝えすると、研磨をすれば塗装は薄くなります。
塗装は一度削れば元には戻りません。だからこそ、必要以上に削らないことが非常に重要です。
一般的な国産車の総膜厚は車種や部位によって差がありますが、MR.POLISHで測定する車両ではおおむね80~110μ前後の範囲を見ることが多くあります。ただし、膜厚計で測定できる数値はあくまで塗膜全体の目安です。
膜厚計があっても「クリアが何μあるか」までは分からない
例えば膜厚計で100μと表示されたとしても、その100μのうちクリア層が何μ、ベースカラーが何μなのかを通常の膜厚計だけで判別することはできません。
膜厚計は万能ではありません。それでも、測定値という目安があるのとないのとでは施工判断に大きな差があります。
パネルごとの数値差や再塗装の可能性などを確認しながら、必要以上に研磨しないための判断材料として使用します。
新車研磨で削る量は、当店では約0.2~1μ前後が目安
MR.POLISHでの施工経験上、新車の軽研磨で削る膜厚はおおむね0.2~1μ前後を目安としています。経年車・中古車で傷を追うハード研磨では1.5~3μ前後になることがあります。
もちろん、これはすべての車に共通する固定値ではありません。塗装の種類、傷の深さ、使用する研磨剤や機材、施工方法によって変わります。
重要なのは「新車だから削らない」でも「傷があるから全部消す」でもなく、その車に必要な最小限の研磨量を見極めることです。
仮に総膜厚100μの塗装を新車研磨で1μ整えたとしても、それだけで塗装寿命を大幅に縮めるような研磨ではありません。しかし塗装は有限ですから、必要のないハード研磨を繰り返すべきではない、というのが当店の考えです。
研磨するとコーティングの仕上がりや性能は変わる?

MR.POLISHの施工経験では、はっきり差が出ると考えています。
まず分かりやすいのが仕上がりです。塗装面を整えてから施工した車は、艶や発色、照明の映り込みが変わります。
さらに当店では、コーティングの定着やその後の性能にも下地処理が直結すると考えています。これはMR.POLISHが日々の施工を通じて得てきた実務上の判断であり、すべての製品・施工方法に一律に当てはまる科学的な数値として述べているものではありませんが、実車テストでは結果として下地処理後のコーティングの方が性能から耐久性全てにおいて優れるという結果が何回テストをしても出ています。
高性能なコーティング剤を選ぶことも大切ですが、そのコーティングを何の上に施工するのか。私たちは液剤と同じくらい、その前の下地作りを重視しています。
それでも「新車は磨かない」という施工も間違いではありません

ここまで読むと「では新車は絶対に磨くべきなのか」と思われるかもしれませんが、そういう話ではありません。
メーカーが品質基準を満たして出荷した新車を、そのままコーティングで保護したいというニーズもあります。研磨工程を省くことで施工時間や費用を抑えるという考え方もあります。
その方法を選ぶオーナー様にとっては、それが正解です。
MR.POLISHが新車でも研磨するのは、「せっかく専門店へ預けていただくのであれば、専門的な知識を元に、塗装面を一度整え、新車の状態からさらに一段上の仕上がりを目指したい」という施工方針だからです。
磨く店が正しく、磨かない店が間違いなのではありません。大切なのは、施工内容を理解したうえで自分が求める仕上がりに合う店を選ぶことです。
新車コーティングの施工店は「価格」だけで選ばない

新車コーティングの施工店を選ぶとき、MR.POLISHがいつも確認してほしいと考えているポイントは3つあります。
- 施工事例が豊富に公開されているか
- 実際に誰が施工するのかが明確か
- 車を何日預かり、その期間にどのような工程を行うのか
例えば、1日で完了する8万円のコーティングと、5日間預かって下地処理・研磨・コーティングまで行う20万円のコーティングがあったとします。
金額だけを見れば20万円の方が高いのは当然です。しかし、本当に比較するべきなのは「12万円高いかどうか」だけではありません。
何人が、何日間、どのような設備で、どの工程に時間を使っているのか。その中身まで見て初めて、本当の意味で高いのか安いのかを比較できます。
コーティング剤の商品名や価格だけではなく、施工工程そのものを比較してみてください。
まとめ|「新車以上の綺麗」を求めるかどうか
新車は、メーカーの品質基準を満たした状態で納車されています。そのままでも十分に綺麗です。
一方、専門店の照明で細かく確認すれば、微細な線傷、スケール、鉄粉などが見つかることがあります。
その状態をそのままコーティングで保護するのか。
それとも、一度塗装面を整えてからコーティングするのか。
どちらか一方だけが正解というわけではありません。
MR.POLISHでは、せっかく専門店へお任せいただくのであれば、コーティング剤を塗るだけではなく、その前の塗装面から仕上げたいと考えています。
そのため、新車であっても一台ずつ状態を確認し、必要最小限の研磨を行ったうえでコーティングを施工しています。
新車のコーティングをご検討中で、施工方法や下地処理について分からないことがあれば、お車の保管環境や洗車頻度なども含めてお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 新車なのにコーティング前に磨く必要はありますか?
必ず磨かなければならないわけではありません。新車状態をそのまま保護する考え方も成立します。MR.POLISHでは、微細傷や付着物、塗装表層を整えてから施工する方針のため、新車でも軽研磨を行っています。
Q. 新車を磨くと塗装が薄くなりませんか?
研磨する以上、塗装はごくわずかに薄くなります。そのため必要以上に削らないことが重要です。当店では新車の軽研磨で約0.2~1μ前後を実務上の目安としていますが、車両や塗装状態によって異なります。
Q. 新車にも傷や水ジミはありますか?
あります。納車前の洗車によると思われる微細傷、スケール、鉄粉、ウォータースポットなどが確認されるケースがあります。
Q. コーティング前に研磨すると艶は変わりますか?
当店の施工経験では大きく変わると感じています。微細な凹凸や傷を整えることで、塗装本来の発色や艶、映り込みを引き出しやすくなります。
Q. 新車コーティング店を選ぶとき何を確認すればいいですか?
施工事例の豊富さ、実際に誰が施工するのか、預かり日数と施工工程を確認することをおすすめします。価格だけでは施工内容の差が見えにくいためです。




